要点:
AspireとAirwallexはどちらも、マルチカレンシー口座、法人カード、および海外送金を提供していますが、世界規模の対応力・対応通貨数・送金インフラの面で大きな差があります。
AspireとAirwallexを比較する際に重要なポイントは、対応通貨数・送金速度とコスト・現地決済機能、そして将来的なスケール規模です。
Airwallexは自社のグローバル金融インフラを基盤としており、120か国以上への無料送金、競争力の高い為替レート、20以上の通貨に対応したマルチカレンシー口座を、月額費用なしで利用できます。
シンガポールへの進出を検討されている日本企業の方で、AspireとAirwallexの比較をお考えであれば、市場で注目を集める2つの金融サービスプラットフォームを検討していることになります。
どちらもマルチカレンシーのビジネス口座、法人カード、海外送金管理ツールを提供していますが、想定するビジネスの成長段階が異なり、その違いは重要です。
このガイドでは、手数料・機能・送金カバレッジ・連携ツールなど各側面から2つのプラットフォームを徹底比較し、明確な判断材料を提供します。
Aspireとは?
Aspireは2018年創業のシンガポール発の金融サービスです。従来型の法人銀行口座に代わるデジタルファーストのサービスを求める中小企業向けに設計されており、現地決済機能と業務管理ツールに重点を置いています。
シンガポールでは、Aspire FT Pte. Ltd.が口座発行・国内送金・電子マネー発行サービスについてMAS(シンガポール金融管理局)の暫定免除を受けて運営しています。² 大半の海外送金については、Wiseを含むMAS認可のパートナー機関を通じて処理されます。³
Aspireの主要サービスは、マルチカレンシービジネス口座・法人カード・経費管理・請求書支払い・給与管理サポートです。⁴
知っておくべき点:
Aspireは資金をDBS等のシンガポールの大手銀行に預託しています⁴
給与・シンガポールの中央積立基金(CPF)・税金支払いはPayNow経由で対応⁵
会計ソフト連携:Xero・QuickBooks・NetSuite・Deskera・SAP⁴
カスタマーサポート:月〜日曜 9:00〜21:00(シンガポール時間)、アプリ内チャット対応⁶
Airwallexとは?
Airwallexは2015年にオーストラリア・メルボルンで創業されました。口座管理・送金・決済・カード・経費管理を一元化したグローバル金融プラットフォームです。
シンガポールでは、Airwallex (Singapore) Pte. Ltd.がMAS(シンガポール金融管理局)より主要決済機関(ライセンス番号:PS20200541)として認可を受けています。¹
Aspireが海外送金にサードパーティのパートナーを利用しているのとは異なり、Airwallexは自社のグローバル金融インフラを運用しています。これにより、120か国以上への現地送金ネットワーク経由の無料送金、20以上の通貨での資金保有、銀行間為替レートに0.4%上乗せした競争力のある為替レートの利用が可能です。
知っておくべき点:
Exploreプランは月額費用なし¹
Accelerateプランでは専任のアカウントマネージャーが対応¹
会計ソフト連携:Xero・QuickBooks(全プラン)、NetSuite(Accelerateプラン)¹
PCI DSS・SOC1・SOC2のセキュリティ基準に準拠⁷
AspireとAirwallexの比較:シンガポールでの主な違い
AspireとAirwallexはマルチカレンシー口座・法人カード・海外送金といった基本機能を共通して提供していますが、機能の深さは大きく異なります。特に世界規模の対応力・対応通貨数・送金インフラの面で顕著な差があります。
以下に両者の比較をまとめます:
Airwallex | Aspire | |
|---|---|---|
マルチカレンシー口座 | 20以上の通貨 | 4通貨 |
同一通貨決済 | 20以上の通貨で利用可能 | |
送金カバレッジ | 現地送金ネットワーク経由で120か国以上に無料送金 | Wise連携による40以上の通貨³ |
グローバル送金対応国数 | 200か国以上 | 130か国以上 |
送金速度 | 93%が当日中に着金 | 主要15以上の通貨で当日着金。現地送金は1〜2日、SWIFTは2〜3営業日 |
オンライン決済受付 | 180か国以上・160以上の現地決済方法 | 130か国以上、カード・デジタルウォレット対応 |
法人カード | バーチャル・実物のマルチカレンシーカード。全プランで従業員カード発行可 | バーチャルカード最大200枚。ユーザーあたり実物カード1枚無料 |
給与・CPF対応 | 非対応 | PayNow経由で対応 |
会計ソフト連携 | Xero・QuickBooks(全プラン)、NetSuite(Accelerateプラン) | Xero・QuickBooks・NetSuite・Deskera・SAP |
ATM引き出し | 法人カードでは非対応 | シンガポール国外のみ対応 |
専任アカウントマネージャー | Accelerateプランで利用可能 | Basic・Premiumプランでは利用不可 |
月額費用 | Exploreプランは無料 | Basicプランは無料 |
本表の情報は2026年3月30日時点での正確な内容として確認されています。
対応通貨口座
Airwallexでは20以上の通貨で現地銀行口座情報を取得でき、現地法人を設立することなく各通貨での受取・保有・支払いが可能です。¹ Aspireが提供する現地通貨口座はSGD・USD・EUR・GBPの4通貨です。⁴
複数通貨で収益を受け取る場合に特に重要です。Airwallexでは同一通貨決済が可能で、例えばUSDで受け取った資金をそのままUSDの仕入先への支払いに充てることができ、強制的な通貨換算は発生しません。Aspireは現在この機能を提供していません。
給与・CPF対応
AspireはPayNow経由で給与・CPF・シンガポールの税金支払いに直接対応しています。⁵ AirwallexはCPFおよびシンガポールの税金支払いには現在対応していません。
会計ソフト連携
どちらのプラットフォームも標準プランでXeroとQuickBooksと連携可能です。AirwallexはAccelerateプランでNetSuiteも追加対応しています。¹ Aspireは初期設定でNetSuite・Deskera・SAPを含む幅広い連携に対応しています。⁴
手数料はどちらが有利?AirwallexとAspireの比較
どちらのプラットフォームも標準プランでは口座開設費用・月額費用はかかりません。ただし、取引種別ごとの手数料体系は異なります。どちらのプラットフォームを選ぶ前に、各取引でいくら支払うかを正確に把握しておくことが重要です。
Airwallex | Aspire | |
|---|---|---|
口座開設費用 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 無料(Exploreプラン) | 無料(Basicプラン) |
国内送金(FAST/PayNow) | 無料 | 無料 |
現地送金ネットワーク経由の海外送金 | 120か国以上に無料¹ | 通貨ごとに手数料が異なる⁸ |
SWIFT送金 | 1回あたりS$20(SHA)またはS$35(OUR)¹ | USDアカウントからの送金:1回あたりUSD $15(SHA)またはUSD $30(OUR)⁴ |
為替レート | 銀行間為替レート+0.4%〜 | 市場中間レート+0.22%〜(Basicプラン)⁴ |
本表の情報は2026年3月30日時点での正確な内容として確認されています。
Aspireの手数料体系
Aspireの手数料体系は送金元の通貨口座によって異なり、現地送金ネットワーク経由の海外送金手数料は、送金確定前にアプリ上で事前に表示されます。⁸
Aspireの国内送金手数料
FASTおよびPayNow経由の国内送金は全プランで無料です。
Aspireの海外送金手数料(SGD口座の場合)
Aspire SGD口座から海外送金を行うには、Wiseアカウントを連携するか、Aspireの連携機能を通じて新規作成する必要があります。³
Aspireは単一のSWIFT送金ではなく、SGDを受取人の現地通貨に換算したうえで、シンガポールと送金先の国でそれぞれ現地取引を実行する方式を採用しています。³ 手数料は通貨ごとに異なり、送金確定前に表示されます。⁸
Aspireの海外送金手数料(USD・EUR・GBP口座の場合)
AspireのUSD・EUR・GBP口座からは、現地送金ネットワークまたはSWIFT経由で海外送金が可能です。
対応している場合、現地送金は無料ですが、カバレッジは通貨口座によって異なります。USD口座からのSWIFT送金手数料は1回あたりUS$15(SHA)またはUS$30(OUR)です。⁴
Airwallexの手数料体系
Airwallexの手数料体系はシンプルです。送金元の通貨口座にかかわらず、120か国以上への送金は無料です。SWIFT送金が必要な場合は、1回あたりS$20(SHA)またはS$35(OUR)の一律手数料がかかります。
Airwallexの国内送金手数料
SGDでのFASTおよびMEPS+の国内取引は無料です。¹
Airwallexの海外送金手数料
全プランで、現地送金ネットワーク経由の120か国以上への送金は無料です。¹ SWIFTが必要な場合はS$20(SHA)またはS$35(OUR)の一律手数料が適用されます。¹
為替換算には、銀行間為替レートに0.4%を上乗せした手数料が適用されます。
同一通貨決済
海外取引先からUSDで入金があった場合、その資金をAirwallexのマルチカレンシーウォレットに保有したまま、ソフトウェアサブスクリプションや広告費などのUSD建て経費の支払いに直接充てることができます。
SGDへの強制換算とそれに伴う為替手数料を回避できます。Aspireは現在この機能を提供していません。
AspireとAirwallexの口座開設方法
AspireとAirwallexはどちらも、初期費用なしで完全オンラインの口座開設が可能です。申し込みからの流れは両プラットフォームで同様で、ウェブサイトまたはアプリから申請し、事業書類を提出して承認を待ちます。
Aspireの口座開設
Aspireの口座開設は完全オンライン対応です。申請から有効化まで最短1営業日で完了する場合もありますが、事業内容によって異なります。⁴
Aspireの口座開設には、通常以下の書類が必要です:⁴
シンガポール現地法人のUEN(会社登録番号)とACRA(シンガポール会計企業規制局)の事業者登録証
取締役および認定ユーザーの本人確認書類と住所証明
25%以上を保有する株主および最終受益者(UBO)の詳細情報
事業内容の概要・予想取引量・主要な取引相手
PayNow入金受取や特定通貨ウォレットなど一部の機能は、承認後に有効化され、AspireのAcceptable Use Policyの適用を受ける場合があります。⁴
Airwallexの口座開設
Airwallexの口座開設も完全オンラインで、最低残高は不要です。書類提出後、通常数日で有効化されますが、事業形態や追加審査の要件によって異なります。
Airwallexの口座開設には、通常以下の書類が必要です:¹
シンガポール現地法人のUEN(会社登録番号)とACRA(シンガポール会計企業規制局)の事業者登録証
取締役および認定ユーザーの本人確認書類と住所証明
25%以上を保有する株主およびUBOの詳細情報
事業内容の概要・予想取引量・主要な取引相手
AspireとAirwallex、他のサービスとの比較
シンガポールに進出した企業が利用できる金融サービスはAspireとAirwallexだけではありません。WiseとRevolutも頻繁に取り上げられるサービスであり、それぞれの位置付けを理解することでより包括的な判断が可能になります。
選択肢1:Wise
Wiseは市場中間レートでの海外送金と明朗な従量課金を中心に構築されています。多くの国への低コスト海外送金が主なニーズである企業に適しています。
ただし、法人カード・経費管理・本格的なマルチカレンシー口座インフラを必要とする企業には不向きです。これらの分野では、AspireとAirwallexの方がWiseよりも機能が充実しています。
選択肢2:Revolut
Revolutはマルチカレンシー口座・法人カード・経費管理・現地送金を段階的なサブスクリプションプランにパッケージ化して提供しています。月額コストが予測可能なオールインワンプラットフォームを求める企業に適しています。
ただし、一部の機能や為替利用枠は上位プランに限定されており、シンガポール現地決済(特にCPFとIRAS税金支払い)のサポートはAspireより限定的です。
自社に合ったプラットフォームはどちらか?
シンガポールに進出した日本企業の多くは、主に現地で事業を展開していても、何らかの形で海外送金に関わっています。海外サプライヤーへの支払い・Google/Metaへの広告費・USD建てのSaaSツールの購読・海外顧客からの入金受取など、これらは例外的なケースではなく、日常的な現実です。
そこでAspireとAirwallexの差が最も顕著になります。
Aspireはシンガポール現地での事業運営に適した設計で、FAST・PayNow・CPF・IRASの税金支払いに対応しており、シンガポールを拠点とするチームの経費管理ツールとして実用的です。ただし、海外取引の対応力には限界があります。現地通貨口座は4通貨のみ、海外送金はWise経由、同一通貨決済には非対応です。
Airwallexは、資金が常に国境を越えて動くという現実を起点に設計されています。1つの口座で以下を利用できます:
マルチカレンシー口座 | 現地銀行口座情報付きで20以上の通貨を保有・利用 |
|---|---|
海外送金 | 現地送金ネットワーク経由で120か国以上に無料(SWIFT手数料なし) |
同一通貨決済 | 20以上の通貨で決済し、強制換算を回避 |
為替レート | 主要通貨の銀行間為替レートに0.4%上乗せ |
決済受付 | カードと160以上の現地決済方法で180か国以上に対応 |
本表の情報は2026年3月30日時点での正確な内容として確認されています。
USD建てで仕入先に支払う場合、AirwallexウォレットにUSDを保有したまま支払いに充てることができます。換算は不要で、換算手数料も発生しません。¹ GBPで収益を受け取る場合も同様に、GBPのまま資金を保有してGBP建て経費の支払いに活用できます。
さらに、Airwallexでは現地送金ネットワーク経由で120か国以上への送金が無料です。送金の93%は当日中に着金し、45%は即時着金します。
よくある質問(FAQ)
シンガポールへの進出企業にはAspireとAirwallexのどちらが適していますか?
自社の事業形態によって異なります。Aspireは主にシンガポール国内で事業を展開し、PayNow・CPF・IRAS税金支払いなどの現地決済機能を必要とする中小企業に適しています。Airwallexは、海外サプライヤーへの支払い・海外顧客からの入金・複数通貨での資金保有など、定期的に海外送金を扱う企業により適しています。
AspireとAirwallexに月額費用はかかりますか?
AspireもAirwallexも、標準プランでは月額費用はかかりません。AspireのBasicプランは無料⁴、AirwallexのExploreプランも無料です。¹ Aspireは追加機能付きのPremiumプランをS$15/月で提供⁴し、AirwallexのGrowプランはS$79/月から、Accelerateプランはs$399/月からご利用いただけます。¹
AspireはCPFおよび給与支払いに対応していますか?
はい。AspireはPayNow経由で給与・CPF・IRAS税金支払いに直接対応しています。⁵ AirwallexはCPFおよびシンガポールの税金支払いには現在対応していません。¹ 現地給与管理が必須要件であれば、これは重要な判断材料になります。
AspireとAirwallexの海外送金の仕組みはどのように異なりますか?
どちらのプラットフォームも海外送金に対応していますが、インフラが異なります。Airwallexは自社のグローバル決済ネットワークを通じて120か国以上への無料送金を提供し、送金の93%は数時間以内または当日中に着金します。¹ AspireはSGD口座からの海外送金をパートナーのWise経由で処理し、手数料は通貨によって異なります。
AspireとAirwallexで複数通貨の保有・利用はできますか?
Airwallexは20以上の通貨でマルチカレンシー口座を提供し、現地銀行口座情報を通じて換算なしに各通貨で受取・保有・支払いが可能です。Aspireの現地通貨口座はSGD・USD・EUR・GBPの4通貨です。Airwallexは20以上の通貨で同一通貨決済にも対応しており、例えばUSDで受け取り、SGDに換算せずにUSD建て経費を直接支払うことができます。
AspireとAirwallexは会計ソフトと連携できますか?
はい、どちらのプラットフォームも主要な会計ソフトと連携可能です。AspireはXero・QuickBooks・NetSuite・Deskera・SAPと連携しています。⁴ AirwallexはXeroとQuickBooksを全プランで、NetSuiteをAccelerateプランで追加提供しています。¹
出典:
mas.gov.sg/regulation/payments/entities-that-have-notified-mas-pursuant-to-the-ps-esp-r
help.aspireapp.com/sg/en/articles/11631357-guide-to-sending-international-transfers-from-aspire-sgd-account
aspireapp.com/pricing
aspireapp.com/global-payments
aspireapp.com/contact-us
本記事はAirwallexによる法的・税務・専門的アドバイスを構成するものではなく、専門家への相談の代替となるものでもありません。また、内容の正確性・完全性・最新性について明示または黙示の表明・保証・保証を行いません。更新のご要望は [[email protected]] までご連絡ください。Airwallex (Singapore) Pte. Ltd.(法人番号:201626561Z)はMAS(シンガポール金融管理局)より主要決済機関として認可を受けています。
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Shermaine Tan
Manager, Growth Marketing
Shermaine spearheads the development and execution of content strategy for businesses in Singapore and the SEA region at Airwallex. Leveraging her extensive experience in eCommerce, digital payment solutions, business banking, and the cross-border industry, she provides invaluable insights that guide businesses through the complexities of global commerce. Specialising in crafting relevant and engaging content that resonates with business owners, her work is designed to drive growth and innovation within the fintech and business economy space.



