10年前、Airwallexは一つのシンプルなフラストレーションから誕生しました。それは、「世界は急速にボーダーレス化しているにもかかわらず、銀行システムだけが頑なにローカルのまま停滞している」という現実です。従来の銀行は、本質的に国内向けに設計されています。ローカルライセンスや物理的な支店網、バッチ処理を前提としたレガシーシステムに縛られているからです。多くの金融機関がグローバルを標榜しますが、システムレベルで真にグローバルなプレイヤーは稀です。実態は、共通のロゴを掲げた’’ローカル法人の寄せ集め’’に過ぎず、企業は国境を越えるたびに’’新規顧客’’としての煩雑な手続きを強いられてきました。 私たちはこの10年、その’’代替’’の構築に時間を捧げてきました。世界中どの市場でも、自国と同じ感覚でビジネスを展開できる、単一独自ネットワークの構築です。決済の受け入れ、資金管理、送金、支払い。国や通貨、法人をまたぐ一連のファイナンス・ライフサイクルを一つに統合することで、私たちは現代の経済スピードに即した、新しいグローバルバンキングの形を具現化しました。 お客様が最も驚かれるのは、「自社のグローバルオペレーションを動かすために、もはやバラバラのプロバイダーをつなぎ合わせる必要がない」と気づいた瞬間です。分断されたスタックを必死に繋ぎ合わせる代わりに、最初から’’ひとつながりのフロー’’が手に入ります。 ベンダーのオンボーディングから請求書承認、自動送金、FXコンバージョン、そして会計システムとのリアルタイム照合までビジネスがシームレスに一気通貫で流れていきます。 例えばeコマース事業者の場合、130以上の通貨でオンライン決済を受け付け、20以上の通貨で’’同一通貨建て’’のまま決済を完結できます。資金をオリジナル通貨のまま保有、支払いすることで、高コストな’’強制的な両替’’による利益の浸食を回避できるのです。 Airwallexはしばしば決済プロセッサーやFXプロバイダーといった既存のカテゴリで語られますが、私たちの価値はそれらを一つのプラットフォームに統合し「あらゆる摩擦を消し去ること」そのものにあります。 2025年を振り返り、確信していることがあります。それは、「スタートラインに立つだけでも、この10年にわたる不屈(relentless)の積み上げが不可欠だった」という事実です。
世界80以上のライセンス・許認可の取得
ゼロからの独自グローバル金融ネットワークの構築
世界中の「最も野心的な企業」からの信頼獲得
グローバルバンキングにおいて、これらは単なる競争優位ではなく、変革に参入するための’’入場料’’なのです。土台は整いました。ここからが本当の変革の始まりです。
ARR 10億ドル:ビジョンが証明された年
2024年が’’モメンタムの年’’であったなら、2025年は’’証明の年’’でした。かつて多くの人々は、「特定の地域ではスケールできても、真にグローバルな拡大は難しいだろう」と予測していました。しかし、2024年にARR(年間経常収益)5億ドル到達を発表してからわずか1年後、2025年10月に私たちはARR 10億ドルを突破しました。前年比90%成長というこの数字は、以下の3つの構造的進化を裏付けています。
圧倒的なグローバル・プレゼンス 米州で171%、EMEA(欧州・中東・アフリカ)で116%の成長を記録。20万社を超える顧客基盤は、もはや特定地域に依存しないグローバルな成功を象徴しています。
規律あるスケールと収益性 これまでプロダクトとインフラへ投じてきた再投資が実を結び、2025年第4四半期にはEBITDAベースでの黒字化を達成しました。サードパーティへの依存を排除した独自インフラだからこそ、高いマージンと圧倒的なコスト効率、信頼性を両立できています。
投資家からの確固たる信頼 シリーズGラウンドにおいて評価額は80億ドルに達しました。AdditionやT. Rowe Priceといった長期的なビジョンを共有するパートナーを迎えられたことを誇りに思います。
プロダクトの進化:統合型プラットフォームの拡張

Business Accounts(法人口座)
世界70カ国でローカル口座のように入金を受けられるGlobal Accountは、もはや5つの銀行にログインし、複雑な為替計算に追われる日々を過去のものにしました。現在、取引の95%以上がローカル決済レールで処理され、その多くがリアルタイムで完結しています。2025年末時点で、年間2,660億ドル超の取引を処理し、お客様に推計12億ドル以上のコスト削減効果をもたらしました。
Spend(支出管理)
60カ国以上で発行可能なコーポレートカードは、2025年の決済額が80億ドルを突破。さらに、調達から支払いまでを管理する’’Vendor Management’’や’’PR/POワークフロー’’をローンチし、HRIS(人事管理システム)との連携も深めることで、財務・人事・運用すべてを繋ぐコントロールセンターへと進化しました。
Payments(決済)
AIを活用した最適化エンジン’’Optimize 360’’は、数千のマーチャントで決済成功率を2〜3%向上させ、数百万ドルの売上回復に寄与しました。また、オンラインと実店舗を統合するPOSソリューションの展開や、ワンクリックチェックアウトのパイロット開始など、購買体験の摩擦を極限まで減らしています。
インテリジェンスシステム:AIが動かす未来
多くのAIツールは’’インサイト / 分析’’で止まりますが、Airwallexは’’実行’’まで到達します。 私たちは資金移動のインフラを自らコントロールしているため、AIエージェントが意思決定した瞬間、コンプライアンスを維持したまま即座に資金を動かすことが可能です。
AI Assistant: オンボーディングや統合を支援し、活用した顧客は30日以内の取引開始率が25%向上しました。
エージェントコマース: AIエージェントが自律的にグローバル取引を行える規制インフラを構築しています。
また、私たち自身もAIネイティブな組織へと変貌を遂げました。従業員の90%以上がAIを活用し、エンジニアリングのリリース速度は95%向上。AIはもはや’’機能’’ではなく、私たちの’’スケール能力’’そのものです。
ARR 100億ドルへの明確なロードマップ
私たちの’’ノーススター(北極星)’’は、100万社の顧客とARR 100億ドルの達成です。
地理的スケール 2025年は日本を含む12市場でサービスを開始。インドネシアでのライセンス取得など、アジア太平洋でも攻勢を強めています。今後、米国に10億ドル、英国に5億ドルの投資を行い、さらなる拠点を築きます。
ブランディング マクラーレンやアーセナルとのパートナーシップは、単なる広告ではありません。「ミスの許されない世界」で頂点を目指す彼らと同じ精度を、私たちの金融システムにおいても追求し続けます。
‘’フルスタック’’による価値提供 特定機能の利用から始まり、最終的には金融スタック全体をAirwallexに統合していただくことで、TCO(総保有コスト)を劇的に下げ、他社が模倣できない競争力を提供します。NPS(顧客推奨度)70台の達成を2026年の目標に掲げています。
結びに:本当のレースは、ここから
20拠点、2,000人規模に拡大した私たちのチームには、国境やタイムゾーンを超えて脈打つ’’共通の鼓動’’があります。それは、お客様が勝利するまで決して止まらない’’不屈の精神 / Grit’’です。レガシーな銀行システムは単に遅いだけでなく、グローバルなイノベーションに対する目に見えない税金のような存在です。私たちはその障壁を一つひとつ取り壊していきます。 この10年、共に歩んでくださったお客様とパートナーの皆さまに、心より感謝申し上げます。土台は整いました。Airwallexの本当の挑戦はここから始まります。
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Jack Zhang
Co-founder and CEO of Airwallex
