越境EC事業の成長を支えてきた決済代行サービスは、今やグローバルビジネスに不可欠なインフラです。オンライン決済を安全かつスムーズに処理し、世界中の顧客がスムーズに購入できる基盤となっています。
単発の取引であれば大きな問題にならないかもしれません。しかし、取引量が増えるにつれて手数料は積み重なり、事業がいよいよ軌道に乗ろうとしているタイミングで経営を圧迫することもあります。
まず、決済代行(ペイメントゲートウェイ)とは何かを確認しましょう。そのうえで、マルチカレンシー対応の国際決済ソリューションが、越境EC事業のさらなる拡大にどのように貢献できるかを詳しく解説します。
決済代行(ペイメントゲートウェイ)とは?
決済代行とは、事業者が自国通貨でオンライン決済を受け付けるためのテクノロジープラットフォームです。決済画面が表示され、案内に沿って支払い情報を安全に入力できます。
決済代行サービスにはすでになじみがある方も多いでしょう。顧客はクレジットカードやデビットカードの情報を入力し、スムーズな決済体験を通じて購入を完了します。
ただし、ほとんどの決済代行会社はサービス利用に対して手数料を課しています。これが事業者にとって見逃せないコスト要因となります。
マルチカレンシー決済代行とは?
一般的な決済代行と同様に、マルチカレンシー対応ソリューションでも安全なオンライン画面から決済できます。大きな違いは、複数通貨での入金・受け取りに対応している点で、これでコストを削減できます。
たとえば、日本を拠点とする越境EC事業者であれば、マルチカレンシー決済代行を使うことで米ドル(USD)での入金・出金が可能になり、余分な両替手数料を支払わずに済みます。
実質的には、越境EC事業者が海外の顧客からの決済を受け付け、販路を拡大し、顧客基盤を広げるための国際決済ゲートウェイです。
規約の細部をよく確認してください
注意が必要なのは、「マルチカレンシー対応」を謳っているサービスのなかには、実際には柔軟な複数通貨処理が提供されていないものも多いという点です。
多くの通貨・決済方法に対応しているという理由だけでマルチカレンシーを標榜するサービスもあります。しかし実態では、受け取った外貨を自動的に自国通貨に換算してしまうケースがあります。
真のマルチカレンシー決済代行は、複数通貨での受け取り・出金に対応しています。たとえば顧客が英ポンド(GBP)で支払った場合、強制換算なしにGBPのまま受け取り・出金ができます。
自社に最適なマルチカレンシー決済代行を選ぶ際は、サービス内容が実態と一致しているかどうかを必ず確認しましょう。
マルチカレンシー決済代行の仕組み
マルチカレンシー決済代行の仕組みを、わかりやすく説明します。
まず、顧客が購入を決断し、ECサイトのチェックアウトページへ進み、決済代行の画面が表示されます。
顧客はクレジットカードまたはデビットカードの情報を入力し、決済を確定します。
決済代行は顧客のカード情報を安全なゲートウェイ経由で指定の決済処理機関(通常は銀行)に送信します。
銀行はこの情報を解析し、どの決済ネットワーク(国内ネットワークまたはクレジットカード会社)に属するかを判定します。
その後、決済は顧客の銀行またはクレジットカード会社に転送され、不正検知を経て承認・拒否が確定します。
決済の受け取り(決済確定)がまさに重要な場面です。通常の決済代行では、受け取った外貨が強制的に自国通貨に換算されます。一方、マルチカレンシー決済代行では、外貨のまま受け取ることができ、不要な両替手数料を回避できます。
マルチカレンシー決済代行のメリット
コストが安い
海外顧客との取引量が多い事業者にとって大きなメリットです。両替手数料が減り、利益率(マージン)が改善されます。越境EC事業者として多数の海外市場に展開しているなら、手数料の削減効果は特に大きくなります。
面倒な両替なしで、誰でも扱えます
両替プロセスを経ることなく、複数通貨で資金を受け取り・保持できます。海外のサプライヤーへの支払いやマーケティング費用の精算も、現地通貨のまま対応できるため手間が大幅に省けます。
資金の安全性が高い
国際決済ゲートウェイとして高いセキュリティを備えているうえ、為替レートの面でも有利です。受け取った外貨をそのまま海外の支払いに充てれば、両替の手間と為替変動の影響を抑えられます。
越境EC向けマルチカレンシー決済代行を比較するポイント
越境EC向けに最適なマルチカレンシー決済代行を比較・選定する際は、以下のポイントを確認してください。
対応通貨の幅
当然のことですが、必要な通貨に対応していない決済代行では意味がありません。申し込み前に、対応通貨の全リストを必ず確認しましょう。
複数通貨での受け取り・出金
外貨での受け取りだけでなく、強制換算なしで外貨のまま出金できるかどうかを必ず確認してください。
複数の請求方式
顧客やサプライヤーに多様な支払い方法を提供できるか確認しましょう。優れた決済代行は、サブスクリプション決済や分割払い、カード決済など複数の請求モデルに対応しています。
不正防止機能
3DS認証(本人確認の仕組み)などの不正防止・本人確認ツールが内蔵されているか確認してください。チャージバック(カード決済の取り消し)を減らし、決済の承認率を高めるために不可欠な機能です。
柔軟な連携(インテグレーション)
既存の決済プラットフォームとの連携のしやすさは重要なポイントです。WooCommerceやMagentoなど主要ECプラットフォームへの対応、そしてAPIの柔軟性を確認しましょう。
手数料と価格体系
マルチカレンシー決済代行の手数料体系には、大きく「インターチェンジ++方式」と「一体型(ブレンド)手数料方式」の2種類があります。
インターチェンジ++方式
インターチェンジ++は、北米・欧州で一般的な手数料体系です。決済処理に関わる費用を、インターチェンジ手数料・スキーム手数料・マージンの3つに分けて表示します。
インターチェンジ手数料は、支払いカードを発行した銀行に支払われます。平均で約0.5%です。
スキーム手数料は、カード会社(Mastercardなど)に支払われます。Mastercardの場合、0.18%〜0.80%程度が目安です。
マージンは事業者が設定します。その他のコストをカバーするために決済に上乗せされます。
インターチェンジ・スキーム手数料は、使用されるカードの種類、関係する銀行、双方の所在国によって異なります。
一体型(ブレンド)手数料方式
一体型手数料方式は、インターチェンジ++の関連費用をすべて一本化した手数料体系です。通常、取引金額のパーセンテージ(例:1.8%)と固定費(例:1件あたり約45〜90円)の組み合わせで表示されます。
この方式では個別の銀行・カード料金体系に依存しないため、1取引あたりの手数料をある程度予測しやすいというメリットがあります。
強制通貨換算について
通常の決済代行では、対応通貨での受け取り時に強制通貨換算手数料が発生することがあります。通常は換算額の1〜3%程度が追加コストとしてかかります。
こうした強制換算は越境取引の「当然のコスト」のように思えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
Airwallexが提供するマルチカレンシー決済代行ソリューション
Airwallexは、機能豊富なマルチカレンシー決済代行と外貨口座を通じて、越境決済をスムーズに処理できるよう支援します。
Airwallexのアカウントを開設すると、複数の通貨での送受金が可能なAirwallexウォレットが利用できます。受け取った外貨はそれぞれの通貨口座に保管され、両替コストを抑えながら効率的に資金を管理できます。
また、グローバルビジネスアカウントも提供しています。これを使えば、海外の取引先へ外貨のまま直接支払えます。複数通貨での資金管理・送金にも対応します。
グローバルビジネスアカウントと決済代行の連携方法は事業者のニーズに合わせて5通りから選択できます。
① WooCommerce・Magento向け「プラグ&プレイ」型(設定不要ですぐ使える)の決済プラグイン
② Airwallexのホスト型決済ページ——1クリックで決済できます
③ ドロップイン方式(自社デザインの決済ページをそのまま組み込む形式)——決済ページのデザインは自社で、ホスティングはAirwallexが担当
④ 柔軟なカスタマイズが可能な埋め込み型フォーム
⑤ オンライン決済API——決済画面を自由に作りたい方向け
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