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Published on 3 June 2026•5分

AIでプロダクトチームの組織はどう変わるか

The Airwallex Editorial Team

AIでプロダクトチームの組織はどう変わるか

AIはチームにできることを変えたが、組織の構造はそのままだ

AIエージェントは、バグを選別し、コードを生成し、修正を本番環境にリリースできます。2024年には実験的に感じられたこの能力は、2026年には当たり前のものになりつつあります。AIで強化されたチームとそうでないチームの差は、多くの人が予想したよりも速く縮まっています。

しかし多くの企業は、3年前と同じ組織図、同じ引き継ぎの流れ、同じ役割定義にAIを後付けしているだけです。エンジニアはコーディング支援ツールを、プロダクトマネージャーは要約ツールを使うようになりましたが、報告ラインは動いていません。

先を行く企業は、これまでの制約がなくなった今、組織内で仕事がどう流れるべきかを根本から問い直しています。

AI時代に、なぜ組織は古い形のままなのか?

新しい技術を、それが置き換えた古い技術の見た目や動きのまま作ってしまうことは、これまでも繰り返されてきました。デザインの世界では「スキューモーフィズム」と呼ばれます。2007年にiPhoneが登場した際、最初のアプリ群はまさにこれでした。メモアプリは黄色い罫線入りのメモ帳に見え、電卓は卓上電卓そのものでした。スマートフォンが独自のルールを持つ新しい表現の場だと、デザイナーたちが気づくまでに何年もかかりました。

Airwallexポッドキャストのある回で、シャノン・スコットは、プロンプト(AIへの指示文)だけで非エンジニアが本番稼働するソフトウェアを構築できるプラットフォーム「Anything」のCEO、ドルブ・アミンと対談しました。ドルブは、企業がAIに合わせて組織を作る方法にも同じパターンを見ています。強力な新しいエージェントを手にしても、最初の本能はそれを古いワークフローに当てはめることです。12個のブラウザタブを開き、各エージェントを監視しながら作業を完了させ、従来のPM→デザイナー→エンジニアという引き継ぎの連鎖をそのままなぞってしまいます。

従来のモデルは一直線に進みます。プロダクトマネージャーが仕様を書き、デザイナーがモックアップに落とし込み、エンジニアが実装し、QAがテストします。引き継ぎのたびに遅延が生まれ、そのたびに文脈が失われていきます。

20人規模のAnythingでは、こうした引き継ぎが消えはじめています。以前は、カスタマーサポート担当者がSlackでバグを報告し、エンジニアがログを調査して診断し、修正をリリースするのを待っていました。今では、担当者がエージェントに連絡するだけです。エージェントがバグを選別し、コードベースを調査し、修正の初稿をリリースします。エンジニアがチケットを開く前に完了していることも多いといいます。サポート担当者がエンジニアになったわけではありません。「問題を報告する」と「問題を解決する」の境界が消えたのです。


自然言語で指示するだけでソフトウェアを作れる「バイブコーディング」について、ドルブはこう語ります。

「バイブコーディングはいずれ普通のコーディングになると、ずっと言い続けてきました。長い間、コーディングはスタンフォードを卒業し、アプリのアイデアを実現するためだけにベンチャーキャピタルを調達しなければならない、不思議な聖職者階級のようなものでした。それが変わりつつあります。」―ドルブ・アミン、Anything CEO


ボトルネックはどこに移ったのか?

長年、ソフトウェア開発の最大の制約はエンジニアリングのキャパシティ(対応できる量)でした。どの企業もアイデアの数が実行能力を上回り、バックログ(未着手の作業の山)は積み上がる一方でした。答えはいつも「エンジニアをもっと採用する」か「優先順位をより厳しく絞る」でした。

AIはその制約を取り払いました。バックログは、コードを書ける人数に縛られなくなりました。一方で、目立ちにくい新しい問題が生まれています。

より多くの人が本番環境に貢献できるようになると、調整が難しくなります。エージェントはいくらでも展開でき、24時間365日稼働します。しかし、何を作るべきかについて人間の認識をそろえる作業は、今も骨が折れます。ドルブが言うように、エージェントはいくらでも持てますが、人間の調整が本当の制約です。

顧客の期待も課題を難しくします。ソフトウェアの開発コストが下がると、「良い」製品の基準は全体的に上がります。1人の創業者が今では週末でリリースできるものを、5年前のスタートアップは四半期かけても完成させられませんでした。

これを的確にとらえている企業は、「開発が速くなった今、空いた人の力をどこに注ぐか」と問います。多くの場合、答えは商品の差別化、顧客理解、販路です。いずれも、人の判断力が唯一無二の要素となる領域です。

そして、ほとんどのチームがまだ向き合っていない問いが近づいています。ドルブはこう表現します。「ユーザー自身がエージェントになる世界で、どうプロダクトと体験を設計しはじめるか?」顧客のAIエージェントが御社のソフトウェアを操作するようになると、体験設計の議論全体が変わります。

問題を知っている人が、自分で解決策を作れるようになるとは?

数十年間、コードを書く能力はテクノロジーのボトルネックとなるスキルでした。コードが書ければ作れる。書けなければ、書ける人を雇う必要がありました。

その方程式が逆転しました。今、希少なのは分野の知識です。特定の業界や業務のなかで、長年かけて積み上げた知識のことです。「バイブコーディング」は一般消費者の現象になっています。ツールは、適切なシステムと道具立てに包まれれば、実質的な成果を上げられる段階に来ています。

採用代理店を経営する中小企業オーナー、複数法人の資金繰りを管理する財務担当者、輸送の問題がどこで発生するかを10年かけて学んだ物流コーディネーターを想像してみてください。こうした人たちは常に、より良いソフトウェアのアイデアを持っていました。今では、エンジニアを一人も雇わずに、そのアイデアを動く業務システムに変えられます。

こうしたビジネスの参入障壁は、知識そのものにあります。コードはコピーできますが、知識はコピーできません。採用代理店がどう回るのか。どの段階で候補者の連絡が途絶えるのか。どの報酬体系が誤ったインセンティブを生むのか。地域ごとに、どのコンプライアンス要件が新規参入の壁になるのか。こうした10年分の理解は、まねできません。

ドルブは、Anythingのユーザー全体でこの傾向を見ています。最も成功しているのは、問題について深い専門知識を持つ人たちです。消防士から不動産、金融まで、必ずしも技術系の創業者である必要はなく、その専門知識に基づいてソフトウェアを作れるようになっています。外部委託した開発者が仕様書から読み取った理解ではなく、自らの知識が形になるのです。


「誰もが同じバズーカを手に入れて、自社のビジネス課題を解決しに行っています。これは、あなたの会社の組織構造を根本から問い直す、もしかするとインターネット以来最大の機会かもしれません。」―ドルブ・アミン、Anything CEO


組織図が前進を阻んでいないか?

ツールはすでに導入済みでも、組織が今も「エンジニアリングこそボトルネック」という前提で組まれていないか、という点が問われます。

このエピソードでは、シャノンとドルブが次のテーマを掘り下げています。AIでプロダクトチームのつくり方はどう変わるのか。なぜ多くの企業は、いまだに古いワークフローにAIを上から重ねるだけなのか。そして、エンジニアだけでなく現場の専門家が直接リリースできるようになると、何が変わるのか。

多くの企業では今日、財務チームが社内ツールのアイデアを持っていても、6ヶ月待ちのIT部門の案件リストを経なければなりません。カスタマーサポートは製品の問題に気づいても、開発の作業リストに紛れて消えていく「要望チケット」でしか伝えられません。このギャップを埋める手段はすでにありますが、ほとんどの組織はまだそれを活用できる形に変わっていません。

Airwallexでは、すでにそのシフトが起きています。エンジニア以外のチームが、自分たちの業務に合った社内ツールを作り、問題に最も近い人たちが設計した解決策で他社製のソフトウェアを置き換えています。

アーリーアダプター(新しい技術をいち早く取り入れる人)のコストは現実にありますが、縮小しています。ドルブは現在の状況を半導体時代に例えています。処理能力が急速に伸び、コンピュータにできることが何度も塗り替えられた時代です。AIも同じような曲線をたどっており、数ヶ月ごとに能力が飛躍して、作れるものが広がっています。「適切なタイミング」を待つ根拠は、ますます弱くなっています。

このシフトに合わせて構造を変える企業は、そうでない企業よりも速く前進します。制約はもはやテクノロジーではありません。組織図が時代に追いついているかどうかが問われています。

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Airwallex’s Editorial Team is a global collective of business finance and fintech writers based in Australia, Asia, North America, and Europe. With deep expertise spanning finance, technology, payments, startups, and SMEs, the team collaborates closely with experts, including the Airwallex Product team and industry leaders to produce this content.

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