資金移動業を含む金融サービスでは、ライセンスを自ら保有し、規制当局と直接関係を築くことが、長期的な信頼の基盤になります。
私は先日、Airwallexが10年前にあえて選んだ「最大抵抗の道」について書きました。これは、他社の金融基盤に自社のサービスを重ねるのではなく、自らライセンスを保有し、規制当局と直接関係を築き、グローバルな金融インフラをゼロから構築するという選択です。より困難で、時間も資金もかかる道です。しかし、その積み重ねによって、長期にわたりお客様へ価値を提供できるようになります。
本日の発表も、創業当初から私たちの方向性を定めてきた、この信念の延長線上にあります。Airwallexがこの方針をさらに強化するなか、Carolyn Renzinが最高規制・コンプライアンス責任者として加わることを、うれしくお知らせします。
Carolynは、規制分野の訴訟とコンプライアンスに25年携わってきた専門家です。前職のFanDuelでは、急成長と複雑な規制対応が同時に進む時期に、最高法務・コンプライアンス責任者を務めました。それ以前はJPMorgan Chaseで6年以上、法務担当アシスタント・ゼネラル・カウンセルとして勤務し、金融危機後の厳しい規制監督のもと、グローバルなコンプライアンスプログラムの設計と導入を担いました。
従来型の銀行と急成長するテクノロジー企業の双方で、大規模なコンプライアンス体制を構築した経験は、まさに今のAirwallexに必要なものです。Carolynはニューヨークを拠点に、コンプライアンス、全社的リスク管理、規制法務の各機能を世界規模で拡大する専門組織を率います。ライセンス取得は、私たちにとって最初の節目でした。次の目標は、世界各地の規制当局と真のパートナーとして実質的な対話を重ね、お客様と当社の成長を支えるために必要な深い信頼を築くことです。
私はAirwallexで、当事者意識、スピード、AIを重視する文化づくりに取り組んできました。「最大抵抗の道」には、この3つがすべて必要です。そして、プロダクトやエンジニアリングと同じ熱量で、これらをコンプライアンスにも適用しなければなりません。
2026年には、コンプライアンス関連支出を前年比70%増やし、規制・コンプライアンス専門チームを約50%拡大する見込みです。また、本人確認・企業確認(KYC/KYB)、マネーロンダリング対策(AML)、取引監視の各機能を補完する専用AIエージェントも導入しました。人が最終判断に関与するこの仕組みにより、お客様が期待する堅牢で極めて精度の高い監督を維持しながら、迅速かつ効果的に規模を拡大できます。
AI、ステーブルコイン、AIエージェントによる商取引が形づくる世界で勝つのは、最速で市場へ参入した企業ではありません。お客様、パートナー、規制当局から信頼される、世界規模の持続可能な基盤を築いた企業です。リアルタイムの国際資金管理からAIを活用した財務業務まで、Airwallexは今後も、こうした基準づくりの最前線に立つことを目指します。
著者情報
Jack Zhang(Airwallex共同創業者兼CEO)
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Jack Zhang
Co-founder and CEO of Airwallex


