ポイントまとめ:
DBSはシンガポールを代表する銀行で、与信枠、貿易金融、対面での窓口サポートが必要な日常バンキングに向いています。
最大の違いは国際送金です。Airwallexは現地送金ネットワークを活用して送金手数料と為替コストを抑える仕組みで、DBSはほとんどの海外送金をSWIFT(銀行間の国際送金網)経由で行います。
Airwallexは、より多くの通貨での口座保有に加え、経費管理や決済ゲートウェイ(オンラインでカード決済を受け付ける仕組み)といったツールを提供しています。
本記事はシンガポールで事業を行う法人向けのサービス比較です。料金・機能は記事公開時点の情報で、日本法人向けの提供内容とは異なります。
※サービス提供状況:グローバル口座(外貨口座)、海外送金・両替、法人カード、経費管理、請求書支払い、会計ソフト連携は、日本法人向けには現在提供準備中です。海外法人の場合は、法人の所在国・地域と審査条件により利用できる場合があります。日本法人が現在ご利用いただけるのはオンライン決済です。
DBSとAirwallexは、シンガポールへの進出を検討する企業が金融サービスを選ぶ際によく比べられます。どちらも決済と口座の機能を提供しますが、想定するニーズは異なります。
DBSは、融資、貿易金融、専任担当者、実店舗まで備えた、フルバンキングサービスを提供する伝統的な銀行です。Airwallexは、海外への決済、複数通貨口座、日常的に海外送受金を行うチーム向けのデジタルツールを提供する、MAS認可の金融プラットフォームです。
このガイドでは、手数料、機能、送金スピード、口座開設の手順を比較します。
DBSとは?
DBSはシンガポールを代表する銀行で、中小企業向けに、普通預金口座、複数通貨口座、貿易金融、運転資金融資、法人カードなど、幅広いビジネスバンキングサービスを提供しています。専任担当者、融資サービス、実店舗でのサポートが必要な企業にとって、最初の選択肢になることが多い銀行です。MAS(シンガポール金融管理局)の認可を受けています。
知っておきたい点: DBSは伝統的な銀行です。シンガポール預金保険公社(SDIC)の保護スキームにより、SGDの預金は最大S$100,000まで保護されます。これは銀行以外の金融プラットフォームには適用されない保護です。
Airwallexとは?
Airwallexは2015年設立のグローバル金融プラットフォームです。シンガポールでは、MASより主要決済機関(Major Payment Institution)のライセンスを取得しています。
Airwallexは銀行ではありません。融資や実店舗の代わりに、複数通貨口座、国際送金、コーポレートカード、経費管理、決済の受け取りを一つのプラットフォームで提供しています。海外との資金移動が多く、送金コストの低さや速さを求める企業向けに設計されています。日本法人向けには、現在オンライン決済のみを提供しています(その他の機能は提供準備中です)。
DBSとAirwallexの機能はどう違う?
一部の機能は重なりますが、海外対応、デジタルツール、EC対応に違いがあります。シンガポールへの進出を検討する企業に関係の深い機能を比べます。
機能 | DBS | Airwallex |
|---|---|---|
現地銀行口座情報付き複数通貨口座 | 13通貨 | 20以上の通貨 |
海外送金対応 | SWIFT経由で30以上の通貨。PriorityPayで一部の国・地域のDBS口座へ即時送金 | 200以上の国 |
送金手数料 | S$0〜S$30(固定)+代理銀行手数料 | 120以上の国への現地送金は無料。SWIFTはS$20〜S$35 |
送金スピード(国内) | 当日 | 当日 |
送金スピード(海外) | DBSネットワーク内は即時。SWIFT経由は1〜4営業日 | 93%が当日着金 |
決済リンク | 非対応 | 対応 |
決済ゲートウェイ | 非対応 | 対応 |
一括送金 | 対応 | 対応 |
経費管理 | 非対応 | 対応 |
承認ワークフロー | 対応 | 対応 |
会計ソフト連携 | Xero、QuickBooks、Financio | Xero、NetSuite、QuickBooks、Shopifyほか |
現地サポートチーム | 対応 | 対応 |
本表の情報は、2026年4月1日時点で確認した内容です。
DBSの強みは?
DBSは、与信枠、運転資金融資、貿易金融、専任担当者など、Airwallexでは対応していない銀行サービスを幅広く利用できます。
また、PriorityPayを使うと、DBSの地域ネットワーク内の口座へ即時送金ができます。国内取引では、設立3年未満の企業向けのスターターバンドルにより、FAST・GIRO(シンガポールの国内送金方式)の送金が無制限で無料になり、初年度の手数料が免除されます。ビジネス複数通貨口座(Business Multi-Currency Account)では、月50回のFAST・GIRO送金が無料です。
DBSのメリット・デメリットは?
メリット | デメリット |
|---|---|
フルバンキング:融資・貿易金融・当座貸越 | S$50の年会費。残高がS$10,000を下回ると月S$40のサービス料 |
SDICによる最大S$100,000の預金保険 | 為替手数料の上乗せ率が事前に公開されていない |
DBSネットワーク内への即時送金 | EC向けの決済ゲートウェイ・決済リンクがない |
専任担当者 | 経費管理ツールがない |
シンガポール各地の実店舗ネットワーク | オンライン口座開設はシンガポール市民または永住者が全持分を保有する企業のみ |
本表の情報は、2026年4月1日時点で確認した内容です。
Airwallexの強みは?
Airwallexは、海外送受金に特化して設計されています。20以上の通貨で現地通貨口座を開設でき、現地の銀行口座情報を通じて海外顧客からの入金を受け取れます。現地送金ネットワークを使う場合、高額なSWIFT手数料は不要です。
デジタルツールも特徴です。180以上の国で決済を受け付ける決済ゲートウェイ、決済リンク機能、Shopify・WooCommerce・Magentoなどの主要プラットフォームとの連携があります。経費管理、承認ワークフロー、一括送金機能も標準搭載されており、一つのプラットフォームで完結します。
Airwallexのメリット・デメリットは?
メリット:
20以上の通貨での現地通貨口座
現地送金ネットワーク経由で120以上の国への無料送金
EC向け決済ゲートウェイ
経費管理と承認ワークフローを標準搭載
月額手数料、年会費、最低残高要件なし
デメリット:
銀行ではないため、融資、当座貸越、与信枠はない
実店舗がない
本内容は、2026年4月1日時点で確認したものです。
送金機能はどう違う?
差が出やすい3つの領域(送金、決済ゲートウェイと決済リンク、カード)を詳しく見ます。
送金
DBS
国内送金では、DBSのビジネス複数通貨口座ホルダーは月50回のFAST・GIRO送金が無料です。国際送金には主に2つのルートがあります。
PriorityPay:一部の国・地域のDBS口座への送金は即時に着金し、電信送金手数料はかかりません。USD・EUR・GBP・CAD・CHF・AUD・NZD・JPY・SGD・HKDの主要10通貨に対応しています。
SWIFT:DBSネットワーク外への送金は、DBS IDEAL経由でS$30の固定手数料+代理銀行手数料(中継する銀行が差し引く手数料)がかかります。30以上の通貨に対応し、通常1〜4営業日かかります。
Airwallex
Airwallexは、国際送金の多くをSWIFTではなく現地送金ネットワーク経由でルーティングします。大半のケースでSWIFT手数料が不要で、送金の93%が同営業日中に着金します。SWIFT送金の場合、手数料はS$20〜S$35です。シンガポール国内送金は、FASTが無制限・無料です。
決済ゲートウェイと決済リンク
DBS
DBSはDBS MAXを通じて、QRコード・PayNow決済(小売向け)と、3Dセキュア(カード利用時の本人認証)対応のクレジットカード認証をサポートしています。ただし、DBS単体でのECサイト向け決済ゲートウェイは提供していません。
Airwallex
Airwallexの決済ゲートウェイは、160以上の現地決済手段を通じて180以上の国での決済受け取りに対応しています。Shopify・WooCommerceなどの主要ECプラットフォームと連携できます。オンライン販売や越境ECを行う企業にとって、両者の違いが出やすい部分です。
カード
DBS
DBSは中小企業向けに、2種類のデビットカードを提供しています。
DBS Business Advance Debit Card:年会費無料で、Visa取引にキャッシュリベートがつきます。
DBS Business Advance+ Debit Card:年会費無料で、キャッシュバックと、多くの国・地域での外貨決済のFX手数料S$0が特徴です。
いずれのカードもシンガポールで発行され、発行費用は無料です。
Airwallex
Airwallexのコーポレートカードは、バーチャルカードと物理カードの両方を、60以上の市場で無料で発行できます(日本法人向けは提供準備中です)。カードの基本通貨での決済には海外取引手数料がかかりません。経費管理ツールと直接連携しており、従業員の支出をリアルタイムで追跡・承認できます。
手数料はどちらが安い?
DBSは複数の項目に手数料が分かれており、Airwallexは大半の手数料が利用量に応じた体系で、事前に表示されます。
手数料 | DBS | Airwallex |
|---|---|---|
口座年会費 | S$50/年(標準Business MCA) | 無料 |
月額口座手数料 | S$10/月(スターターバンドルのみ) | 無料 |
月次サービス料 | 平均日次残高がS$10,000未満の場合S$40/月 | 無料 |
国内送金(FAST/GIRO) | DBS IDEAL経由で月50回FAST+50回GIRO無料(標準MCA)。スターターバンドルは無制限無料 | 無制限無料 |
国際送金(現地送金ネットワーク経由) | 非対応 | 120以上の国へ無料 |
国際送金(SWIFT経由) | DBS IDEAL経由でS$30固定+代理銀行手数料 | S$20〜S$35 |
国際送金の受け取り | 1件あたりS$10の手数料 | 20以上の現地通貨口座への着金は無料 |
為替手数料 | 事前に公開されていない | 主要通貨0.4%、その他通貨0.6% |
本表の情報は、2026年4月1日時点で確認した内容です。
この比較から、3つの点が分かります。
第一に、DBSは年会費、月次サービス料、最低残高要件が重なるため、月ごとのコストが読みにくくなります。
第二に、DBSは為替手数料の上乗せ率を事前に公開していないため、送金前に実際のコストを把握しづらい面があります。Airwallexは主要通貨で銀行間為替レートに0.4%を上乗せする仕組みで、手数料は事前に表示されます。
第三に、DBSは国際送金を受け取るたびにS$10の手数料がかかります。Airwallexは、20以上の通貨口座への着金に手数料を課しません。
口座開設の条件はどう違う?
オンラインで申請できる企業の条件が異なるため、申し込み前の確認が必要です。
項目 | DBS | Airwallex |
|---|---|---|
オンライン開設の対象 | シンガポール市民または永住者が全持分を保有するシンガポール法人 | シンガポール登録企業すべて |
口座開設手数料 | オンライン申請経由のシンガポール完全内国人所有法人は免除 | 無料 |
最低初期入金額 | なし | なし |
必要書類 | UEN、全口座利用者の連絡先情報。追加書類が必要な場合あり | UEN、ACRA事業登記情報、取締役ID、住所証明 |
対面訪問 | 外国人株主がいる企業は必要 | 不要 |
本表の情報は、2026年4月1日時点で確認した内容です。
DBSの口座開設は?
シンガポール市民または永住者が全持分を保有する企業であれば、DBS Business Multi-Currency Accountをオンラインで約10分で申請できます。外国人株主や外国人取締役がいる企業はオンライン申請を利用できません。専任担当者を通じて支店での対面面談を予約する必要があり、全体で数日〜数週間かかることがあります。
Airwallexの口座開設は?
シンガポール登録企業であれば、株式構成に関わらず、Airwallexのアカウントをオンラインで申請できます。基本的な事業情報の提供と、標準的なKYC(本人確認)審査が必要です。多くの場合、数営業日以内に承認されます。
シンガポール進出企業はどちらを選ぶ?
海外への支払い、海外からの入金、複数通貨での経費管理など、国際的な資金移動が多い企業には、Airwallexの機能が向いています。融資、貿易金融、対面サポートが必要な企業には、DBSが向いています。Airwallexの主な特徴は次のとおりです。
月額手数料、年会費、最低残高要件なし
20以上の通貨での現地通貨口座
現地送金ネットワーク経由で120以上の国への無料送金
主要通貨の為替レートは銀行間レート+0.4%
DBSでは提供されていない、次のツールも搭載されています。
180以上の国で決済を受け付ける決済ゲートウェイ
海外取引手数料なしのコーポレートカード(日本法人向けは提供準備中)
承認ワークフロー付きの経費管理(日本法人向けは提供準備中)
Xero・NetSuite・QuickBooks・Shopifyほかとの連携
よくある質問(FAQ)
国際送金はAirwallexとDBSのどちらが有利ですか?
定期的に国際送金を行うほとんどの企業にとって、Airwallexの方がコストを抑えられます。120以上の国の現地送金ネットワークを活用して無料で送金でき、為替手数料の上乗せ率も銀行間レート比0.4%〜0.6%と事前に公開されています。DBSはほとんどの国際送金をSWIFT経由でルーティングし、S$30固定手数料+代理銀行手数料が発生します。また為替手数料の上乗せ率は非公開です。
香港・中国・インドなど、DBSネットワーク内の国へ送金する場合は、DBS PriorityPayが電信送金手数料なし⁴で即時送金を提供しています。ただしこれはDBS間の送金に限定されます。
AirwallexとDBSを併用することはできますか?
はい。与信枠・融資・国内バンキングにDBSを使いながら、国際送金・複数通貨口座・経費管理にAirwallexを活用する企業も多くあります。与信枠や融資が不要な場合は、決済・カード・経費管理・複数通貨口座をひとつにまとめたAirwallexをメインの金融プラットフォームとして活用することも可能です。
DBSはオンラインビジネス向けの決済ゲートウェイを提供していますか?
DBSは独立したECサイト向け決済ゲートウェイを提供していません。DBS MAXは小売向けのQRコード・PayNow決済をサポートしていますが、ShopifyやWooCommerceとのフルオンラインチェックアウト連携に相当するサービスはありません²。Airwallexは180以上の国で180以上の通貨の決済を受け付ける決済ゲートウェイを提供しています。
DBSのビジネス口座の最低残高はいくらですか?
標準のDBS Business Multi-Currency Accountでは、平均日次残高がS$10,000¹を下回ると月S$40のサービス料が発生します。設立3年未満の企業向けのスターターバンドルには最低残高要件はありませんが、月S$10の固定手数料がかかります¹。
Airwallexはシンガポールで安全・合法に利用できますか?
はい。Airwallex (Singapore) Pte. Ltd.はMAS(シンガポール金融管理局)より決済サービス法2019に基づく主要決済機関(Major Payment Institution)のライセンスを取得しています。顧客の資金はMASのセーフガード要件に基づき、世界有数の金融機関に保管されています。PCI DSS・SOC1・SOC2のセキュリティ基準を満たしています。
外国人所有の企業はDBSのオンライン口座開設を利用できますか?
いいえ。DBSのオンライン口座開設は、シンガポール市民または永住者が全持分を保有するシンガポール法人のみが対象です¹。外国人株主や外国人取締役がいる企業は、専任担当者が関与するプロセスが必要で、支店での対面訪問が求められます。
出典:
dbs.com.sg/sme/day-to-day/accounts/dbs-business-multi-currency-account
dbs.com.sg/sme/day-to-day/payments.page
dbs.com.sg/documents/276102/282855/pricing-guide.pdf
DBS PriorityPay product sheet
dbs.com.sg/sme/day-to-day/business-cards/dbs-visa-business-advance-debit-card
dbs.com.sg/corporate/solutions/ideal/comprehensive-services
/en-sg
本記事は法律・税務・専門的アドバイスを提供するものではなく、また専門家への相談に代わるものでもありません。内容の正確性・完全性・最新性について、Airwallexは明示または黙示を問わず一切の表明・保証を行いません。更新をご希望の場合は、[[email protected]] までお問い合わせください。Airwallex (Singapore) Pte. Ltd.(201626561Z)はMASより主要決済機関のライセンスを取得しています。

Shermaine Tan
Manager, Growth Marketing
Shermaine spearheads the development and execution of content strategy for businesses in Singapore and the SEA region at Airwallex. Leveraging her extensive experience in eCommerce, digital payment solutions, business banking, and the cross-border industry, she provides invaluable insights that guide businesses through the complexities of global commerce. Specialising in crafting relevant and engaging content that resonates with business owners, her work is designed to drive growth and innovation within the fintech and business economy space.


