決済ゲートウェイとは、ネットショップでカード情報などを安全に受け取り、カード会社や銀行に取り次ぐ仕組みです。この記事では、決済が完了するまでの流れ、ゲートウェイの種類、手数料の考え方、選ぶときの確認ポイントを説明します。日本の事業者が確認したい「カード情報を自社で持たない」という基準にも触れます。
※サービス提供状況:グローバル口座(外貨口座)、海外送金・両替、法人カード、経費管理、請求書支払い、会計ソフト連携は、日本法人向けには現在提供準備中です。海外法人の場合は、法人の所在国・地域と審査条件により利用できる場合があります。日本法人が現在ご利用いただけるのはオンライン決済です。
決済ゲートウェイ(決済代行)とは?
決済ゲートウェイとは、購入者が入力したカード情報やウォレット情報を暗号化し、決済の承認を得て、売上を事業者に届けるまでを支える技術基盤です。購入者が「支払う」を押すたびに、次の4つの処理が行われます。
情報の取得と暗号化:入力された情報を暗号化し、盗み見や不正利用を防ぎます。
安全な情報転送:暗号化したデータを、決済を処理する事業者(決済プロセッサー)へ送ります。
承認:カードを発行した銀行などが、カードが有効か、限度額に余裕があるか、不正の疑いがないかを確認し、承認か否認かを返します。
入金処理:承認された取引の売上を、事業者の口座に入金する手続きを進めます。
ゲートウェイがなければ、カード情報を自社で扱う必要が出て、安全対策の負担が大きくなります。
決済ゲートウェイ、決済プロセッサー、マーチャントアカウントは何が違う?
3つは役割が異なります。レストランにたとえると、決済ゲートウェイは注文を受けて厨房へ届けるスタッフ、決済プロセッサーは実際に料理をつくる厨房、マーチャントアカウントは売上を一時的に預かる金庫にあたります。
決済ゲートウェイ:決済情報を受け取り、安全に受け渡します。
決済プロセッサー:VisaやMastercardなどのカードネットワークを通じて、カード発行銀行に承認を求めます。
マーチャントアカウント:承認された売上が事業者の口座に入る前に、いったん預かるアカウントです。
最近の決済サービス事業者(PSP、決済サービスプロバイダー)は、この3つをひとつのサービスにまとめて提供しています。事業者は別々に契約する必要がなく、申し込みの手間を減らせます。
決済ゲートウェイの仕組みは?決済完了までの流れ
購入者から見ると一瞬ですが、裏側では次の6つの手順が順に進みます。
チェックアウト:購入者がカード、デジタルウォレット、銀行振込などの支払い方法を選び、情報を入力します。
暗号化:ゲートウェイがカード番号などを暗号化します。
ルーティング(送信):暗号化した情報をプロセッサーに送り、プロセッサーがカードネットワークを通じてカード発行銀行へ問い合わせます。
承認:カード発行銀行が、残高やカードの有効性、取引の正当性を確認して結果を返します。
結果の通知:結果がゲートウェイ経由でチェックアウトページに反映され、購入者に「決済完了」またはエラーが表示されます。
入金:承認された取引の売上が、決済サービスを経由して事業者の口座に入金されます。入金までの日数は事業者ごとに異なるため、契約前に確認してください。
この流れはゲートウェイの種類が違っても共通です。違いが出るのは、ストアへの組み込み方です。
決済ゲートウェイにはどんな種類がある?
大きく4つに分かれます。事業に必要な自由度、導入のしやすさ、自社の開発体制で選びます。
ホスト型:購入者を、決済サービス事業者が用意した別ページに移動させて支払ってもらう方式です。
メリット:設定が簡単です。PCI DSS(カード情報を安全に扱うための国際的なセキュリティ基準)への対応も、事業者側が負担する部分が小さくなります。
デメリット:購入者が自社サイトから離れるため、不安を感じて購入をやめる(カゴ落ち)ことがあります。
セルフホスト型:購入者が自社サイト上で情報を入力し、送信の処理をゲートウェイが行う方式です。
メリット:チェックアウトの画面を自由にデザインでき、購入の流れがなめらかになります。
デメリット:セキュリティやコンプライアンス(法令・基準の順守)の一部を、自社で対応する必要があります。
API型:API(システム同士をつなぐ仕組み)を使い、自社のサイトやアプリに決済機能を直接組み込む方式です。
メリット:チェックアウトの流れを細かく設計でき、定期課金(サブスクリプション)の仕組みも作れます。
デメリット:構築と保守に開発担当者が必要です。
銀行との直接連携:購入者がオンラインバンキングなどで、銀行口座から直接支払う方式です。
メリット:カード決済より手数料が低い場合があります。
デメリット:海外の購入者には対応しにくい場合があります。
決済手数料はどう決まる?
手数料は、主に「インターチェンジプラス」か「定率制」のどちらかで決まります。
インターチェンジプラスは、カードネットワークなどに支払う手数料に、決済事業者の上乗せ分を足す方式です。定率制は、カードの種類に関係なく、売上に対して一定の割合を課す方式です。取引量が多いときはインターチェンジプラスのほうが安くなることがありますが、定率制は費用が読みやすい利点があります。
小さな差でも、売上が大きくなると影響が出ます。例として、年間の売上が1億円で手数料率が0.5%違えば、年間で50万円の差になります。手数料以外に、為替手数料、チャージバック(カード利用者が支払いに異議を申し立て、売上が取り消されること)の費用、その他の追加費用がないかも確認しましょう。
決済ゲートウェイを導入するメリットは?
主なメリットは、安全性の確保、購入率の向上、運用の手間の削減の3つです。
安全性と不正対策:ゲートウェイは、暗号化、トークン化(カード番号を、意味のない別の文字列に置き換えること)、不正検知の仕組みで事業者と購入者を守ります。日本では、経済産業省の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が、割賦販売法のセキュリティ対策義務の実務上の指針とされています。このガイドラインは、原則すべてのEC加盟店に、2025年3月末までのEMV 3-Dセキュア(カード利用時の本人認証)の導入を求めました。また、2025年4月以降は、セキュリティ・チェックリストに記載された対策(脆弱性対策など)の実施を求めています。さらに、カード情報の「非保持化」(自社でカード番号を保存・処理・通過させないこと)も加盟店に求めています。ゲートウェイを選ぶときは、これらに対応しているかを確認してください。
購入率の向上:手順が多く入力が面倒なチェックアウトは、購入者の離脱につながります。次のような工夫で、入力の手間を減らせます。
Apple Pay、Google Pay、PayPayなどのデジタルウォレット:カード情報を手入力せずに支払えます。
後払い(BNPL):分割払いを好む購入者に対応でき、注文金額が上がることがあります。
地域の決済手段:越境ECでは、販売先の国で広く使われている支払い方法に対応すると、購入されやすくなります。
ゲスト購入と決済情報の保存:会員登録を必須にすると離脱が増えるため、登録なしで購入でき、次回用に情報を保存できる選択肢を用意します。
運用の手間の削減:決済の処理や売上の照合を自動化し、手作業を減らせます。ShopifyやWooCommerceなど、すでに使っているECサイト構築ツールや会計ソフトとつなげられるかも、事前に確認しましょう。
決済ゲートウェイの注意点は?
主な注意点は、手数料の積み重なり、障害のリスク、対応していない決済手段、コンプライアンスの負担の4つです。
取引手数料:少額でも積み重なると大きくなります。追加費用の有無を事前に確認します。
障害のリスク:繁忙期にゲートウェイが止まると、売上の損失に直結します。サポートの対応体制や稼働の保証を確認しましょう。
対応していない決済手段:購入者が使いたい方法に対応していないと、購入をあきらめられることがあります。契約前に、対応する決済手段と通貨を確認します。
コンプライアンスの負担:カード情報を自社で扱う場合は、PCI DSSへの対応が必要です。ゲートウェイがどこまで代わりに対応するかを確認しましょう。
決済ゲートウェイはどう選ぶ?
次の6点を、順に確認すると比較しやすくなります。
手数料:為替や入金にかかる手数料を含めた総額が分かるか。
対応する決済手段:購入者が使うカード、ウォレット、後払い、地域の決済手段に対応しているか。
入金の早さ:注文から入金までに何営業日かかるか。
セキュリティと法令への対応:3-Dセキュアの導入、カード情報の非保持化、不正対策の機能があるか。
既存ツールとの連携:いま使っているECプラットフォームや会計ソフトと、大きな開発なしでつながるか。
海外展開への対応:新しい国で販売するときに、通貨や決済手段を追加できるか。
AirwallexのEC向けオンライン決済とは?
日本法人がAirwallexで現在利用できるのは、オンライン決済です。日本向けの料金ページ(2026年9月確認)では、カードとデジタルウォレットの決済手数料は3.20%+40円で、国際カードの場合は0.5%が加わります。
例として、1万円のカード決済なら、手数料は3.20%の320円に40円を足した360円です。購入者が国際カードで支払う場合は、さらに0.5%の50円が加わり、410円になります。
対応する決済手段や料金の詳細は、決済サービスのページと料金ページで確認できます。
よくある質問
決済ゲートウェイと決済代行は同じ意味ですか?
日本のネットショップの文脈では、ほぼ同じ意味で使われます。どちらも、購入者の決済情報を受け取り、カード会社や銀行との間を取り次ぐサービスを指します。実際の契約では、ゲートウェイ、プロセッサー、マーチャントアカウントの機能がまとめて提供される場合が多くあります。
決済ゲートウェイを選ぶとき、日本の事業者が最初に確認することは何ですか?
経済産業省の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」への対応を確認してください。具体的には、EMV 3-Dセキュアの導入、セキュリティ・チェックリストの対策、カード情報の非保持化に対応できるかです。そのうえで、手数料と対応する決済手段を比較します。
ホスト型とセルフホスト型のどちらがよいですか?
開発の負担を抑えて早く始めたいなら、ホスト型が向いています。画面のデザインや購入の流れを自社で細かく整えたいなら、セルフホスト型かAPI型が向いています。ただし、自社で対応するセキュリティの範囲が広がる点には注意が必要です。
手数料は何を比べればよいですか?
手数料率と固定額だけでなく、為替手数料、チャージバックの費用、入金にかかる費用も合わせて比べます。たとえば年間売上が1億円なら、手数料率0.5%の違いは50万円の差になります。
よくある質問
eコマース決済ゲートウェイとは何ですか?
eコマース決済ゲートウェイは、オンラインストアと金融機関の間でカードやウォレットの決済を暗号化・承認・入金処理する技術です。オンライン決済を安全かつコンプライアンスを満たした形で処理するために、オンライン販売を行うすべての事業者に必要です。
最適なeコマース決済ゲートウェイはどれですか?
ビジネスモデル・取引量・顧客の所在地によって異なります。Airwallexは、国際販売を行う事業者や、決済・口座・FXをワンプラットフォームで管理したい事業者向けに設計されています。
決済ゲートウェイの手数料はどのくらいですか?
多くのプロバイダーは取引ごとに手数料を請求し、通常は取引金額の1〜3%と固定費用の組み合わせです。海外決済には追加の為替手数料がかかる場合があります。Airwallexは透明性の高い料金体系と受け取った通貨のまま入金できるためコスト削減をサポートします。
決済ゲートウェイと決済プロセッサーの違いは何ですか?
決済ゲートウェイは決済データを暗号化して転送し、決済プロセッサーはカードネットワークを通じてトランザクションをルーティングして発行銀行と通信します。多くの最新型プロバイダーは両方をひとつのサービスにまとめています。
決済ゲートウェイの入金には何日かかりますか?
多くのゲートウェイは1〜3営業日以内に資金を入金します。Airwallexなど一部プロバイダーは、より高速な入金オプションも提供しています。

Sophia Cheng
Senior Manager, Content Marketing
Sophia has a robust background in the fintech industry spanning investments to payments. Her background provides a holistic view of technology and finance, and how they can play a crucial role in streamlining financial operations for businesses.


